あれから二年。

 わたしは無事、国立大学にトップで合格、入学した。

 学部はもちろん、医学部。

 理由は、両親が格好良かったから。人を救えることが素敵だから。

 …なんかじゃない。

 両親を見返してやりたかったから。

 わたしを見てくれないなら、嫌でも認めさせてやるため。

 ちなみに、その両親は、わたしが意識を取り戻してすぐ謝ってきた。

 明日香の両親にわたしの話(愚痴)をしたみたいで、その時にこっぴどく怒られたらしい。

 おばさんにそう教えてもらった。

 あ、明日香の両親も、わたしのことをすごく心配してくれた。

 世の中はまだ、捨てたもんじゃないんだなって思った。

 明日香が教えてくれたように…

 

 …わたしは籠の中の鳥じゃない。

 折れた翼も、もうきっと治ってる。今度は、本当に自分で飛べる。

 あと、明日香の彼氏は…

 「おい、澪、行くぞ!」

 「あっ、ごめん駿、今行くからっ」

 今はわたしの彼氏。それは、明日香の希望でもあった。

 理由は、彼、市ノ瀬駿(しゅん)もわたしも、明日香のことで酷く落ち込んでいたから。

 最初は二人ともぎこちなかったけど、明日香の事を話しているうちに仲良くなった。

 ――明日香は最後まで、わたしたちのことを一番に考えてくれていた。

 

 …明日香の最期の願い。

 それは、明日香の家族、彼氏、そしてわたしの両親に、明日香の言葉を伝えること。

 わたしの両親には、「澪の事を見てくれるように」、と。

 そして、明日香の家族と駿には、

 「あたしは元気だから、みんなも元気でね。いつまでもずっと見守っているから」、と。

 

 …そして、もちろんわたしも、明日香に言われたことがある。

 それは…――

 「どれだけ辛くても、もう死ぬことを考えないで。世界には苦しいことだけじゃない。

 楽しいこともある。だから、それから逃げないで」

 もちろん逃げないよ。死んだりしない。

 だって、明日香がくれた命だから…――

 

 

 

END

 

 

短編集2作目ですね。
これは高校2年の時の文芸誌に載せたものです。
多少加筆修正しております。
1年の時よりは大分ましにはなってるけれど
それでもこの文才の無さはどうにかならないものだろうか…
しかも前の作品と同じ言い回しが多々見受けられる事に、編集していて気付いた。
…成長してないじゃん、あたし…orz

はい、もう知らんっ←
ここまで読んでくださってありがとうございましたっ
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